[今ここで自身のジェムを剥いでシゲオに渡す方が、確実なのだろう。 けれど少女が選択しようとしている道は、裏切ってしまう相手による断罪。 歩く少女は、武器は持っていない。 ある一点を除いては、防御している個所もどこにもない。 急所を一突きにすることも、じわじわとなぶり殺しにすることも、容易にできるだろう。 けれど。 手の甲で隠すような形で、右手に握り込んでいるものは。 リボンの中心にある、青緑。 これだけは、壊すことも奪うこともさせまいと**]