――……さて。
[副長への、到着予告を終えて]
……ファベル少尉、ちょっといいか。
[ローレルに聞こえないよう、小声で]
――少佐は、命は等しく尊いといった。
あれはあれで正しい。少佐みたいな人は、世の中に必要だと、俺も思う。
ただし……君には、命の優先順位を伝えておく。
そういう考え方に君が同意できるかできないかは、聞かないでおく。
――だから、これは命令として達する。
第一に少佐、次に副長だ。その上で余裕があれば、己の命を守れ。
ああ、俺のことは気にしないでいい。復唱は不要、何か意見は?
[と、そう少尉に確認する。異論がなければ、前進を再開することになるだろう]