…――は…[魔血と混ざり合い融合した聖血は、ユーリエのように魔族にダメージを与えることはなかった。2つの力を併せ持つ、中途半端な血。むしろ魔を誘うように甘くまろやかな芳香を放ち、馴染み深い魔の血が野茨公を傷を修復し始めるだろう。それは自然界に存在する、純粋な魔力にそのものに近かった。]っ、…ぁ[痛みだけではない感覚を覚えはじめ。抑えきれない溜息が甘く、浅く、漏れる。果たして野茨公が感じた味は懐かしさか、あるいは"良く知る同族"の誰かの味か。それを知る術はない。**]