―大広間―
[そして私は彼女の肩に、持ってきた毛布を1枚掛けるのでした。]
持って行って、寒いでしょう?
「でも、コンスタンツェ、あなただって……。」
薬を飲めば平気って、そう言ったのは貴女じゃない。
いいから、持って行って。何なら誰か、寒そうにしている人に譲ったっていいから……ね?
「……分かった。」
[そう言って彼女は、まだ薬を配らなくてはいけないから、と、私の所からも見える青年>>88の方へと向かってゆきました。]
[私はそれを見送り、自分のてのひらの、雪のように白い錠剤に視線を落とすのです。]
……1日分……ね。
[ブリザードがそんなに早く終わるだなんて、一体誰が、信じられるでしょう?]