被害を拡大――、[彼の言うとおりだ。これ以上被害を広げる訳にはいかないと、自分自身も思っている。 だが、それには今助かる命を優先することも含まれるのではないのか。 今更惜しい身体でもない。このまま駆け出しても良かった。だが、自然現象は一人で太刀打ちできるものでもない。]あれで大半が出られたのなら、……よかった。[アルビンの言葉>>138 に、そう結論づける他なかった。 紅茶を淹れようとオットーが動いていた。やり切れない溜息をゆっくりと吐きながら、空いた木製の丸椅子に腰を下ろす。]