― 回想:天使を奪う魔族 ―
[卑怯だとか、そんなのは魔族にとっては褒め言葉だ。それもそうだろう。まさか新婦まで釣れるとは思わなかったが、新郎を奪い、宙吊りにし、いつでも殺せる体勢を取っているのだから。
サプラーイズ、なんて言っても冗談の通じる相手ではないだろう。サプライズのつもりではあったけども。]
目的って言うてもな
そんな大層な目的やないぞ?ただ簡単な事じゃ
[こちらに武器を向けながらも、良いの?本当に良いの?ってゆらゆらと人質をぶら下げる。小さな悲鳴が手元から聞こえたけれども。大丈夫、少なくとも自分が握っている限り“新郎は”死なない。
新婦の方は、そこまで面倒見ている程暇でもないから、死んだのならば新郎の愛はその程度だったという事だろう。]