[血親のもう一人のチャイルドが、“敵”もろとも、こちらへと牙を剥く>>127
単純な命令のみを授かった身体は混乱し、我が身を守るべきか、自分より遙かに強力なチャイルドを生かすべきか、一瞬惑う。
間隙に届いた、簡潔な答え>>131]
……ぇ、
[魔物に造り変えられようと、生来脆い娘の身体は、黒衣の主にあっさりと手首を捕えられた。
引き寄せられる侭に身体は傾ぎ、ふわりと薄衣の裾が翻る。
描く軌道は、まるで――迫る爪から身を逸らすような]
……どう、して……
[つい今しがた口にした問いと同じ言葉が、異なる意を孕んで零れた]