――僕はねぇ、スノウ。僕は人狼が嫌いだ。僕は自分のこと《じんろう》が嫌いだ。僕は身内喰らいの人殺しに成り下がった、僕自身が大嫌いだ。全てをガルーのせいにして、記憶の底に逃げ込んでしまった自分に腹が立つ。全てをガルー任せにして、殺しの衝動も人喰いの快楽も抑えようともしなかった自分が憎くて仕方がない。けれども今は、そんな忌まわしい記憶も殺しの快楽も、全てが『僕』の中にある。僕は、その全ての記憶と罪とを道連れに、虚無に堕ちて逝きたいんだよ…