[心の何処かで…プツっと、人間の心を、最後の一つ目の月の欠片を、つなぎ留めていた、大切な紐が>>130切れる音がする。] ――――……ウォオオオオン!!![そこには既に、私はいない。代わりに、太陽色の毛に、燃えるような紅い眼をした獣が。 怒りの咆哮を上げ、ぐわっと大きく顎門を開き。 首筋に食い込もうとするゲオルグの牙に構わず>>135 迫りくる相手の喉笛を、喰い千切ろうとする。“仲間”を守るために、“人狼”だった父親の喉笛を、憎しみと怒りで食い破った牙で>>179]