― 後日・ペンホールズ ―
[撫でる感触の心地よさもさる事ながら、手に擦り寄ってこられるのが嬉しくて。
結果、ぎゅう、と抱きかかえ──その後の反応>>139に、ひとつ、ふたつと瞬いた。
その瞬きの仕種が兄とそっくり……とは、知る者もいないわけだが]
「……喋った……あなた、普通の猫さんじゃないの?」
[元より妖精と縁のある家系、そう言った存在には比較的馴染んでいる。
……もふもふふわふわの感触に、余計な事を考える部分がどっかに飛んでいるだけ、という説もあるが、それはそれ]
「お馬さんって……もしかして、ラクシュ?」
[他に思い当たる節もないのだが、確かめるように問いかけた。
呪いと対成す祝いを与えられた黒馬は、彼女にもよく懐いてくれていたから。
それにしても馬に頼まれてってどういうことなの、とか、そもそもあなたはどこからきたの、とか。
本来聞くべき事をすぐに聞こうという気になれなかったのは、すりすりごろごろする仕種があまりにもかわいかったから。*]