クロイツ。 やっぱりお前って、―――。[ヒンメル先輩、と、口中のみで呟く。ヒンメルの卒業後の行方も経緯も知れず、彼とクロイツとの関係ももはや知る術もない。最初の対面の時、問いに返された言葉通り、全く赤の他人であるのかも知れない。 ・・・それでも。あの頃、ヒンメルの傍には大抵、ダーフィトの姿が在ったから。彼に似た男と、その相棒とが。二人並んで安らいでいる様に、何とも奇妙な安堵があったのだ。]