人狼物語−薔薇の下国

489 グラムワーグ・サーガ4


天軍指揮官 ナネッテ




  …──────、マレンマ!


[咄嗟に大天使の唇をついて出たのは、
 術の発動を告げる最後の一言ではない。
 悲鳴のように呼んだのは、愛しき子の名前であった。

 術の記述を終え、動けるようになった腕で咄嗟に御子の身を引く。
 抗議の声が上がろうとも構うことなく強引に、
 その身を掻き抱いて、六翼の羽根を以て御子を包み込んだ。

 それは力による防御ではなく。
 ただ大天使自身の身を以て、いとし子を庇い────]

(140) 2017/11/13(Mon) 23:27:09

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