…──────、マレンマ![咄嗟に大天使の唇をついて出たのは、 術の発動を告げる最後の一言ではない。 悲鳴のように呼んだのは、愛しき子の名前であった。 術の記述を終え、動けるようになった腕で咄嗟に御子の身を引く。 抗議の声が上がろうとも構うことなく強引に、 その身を掻き抱いて、六翼の羽根を以て御子を包み込んだ。 それは力による防御ではなく。 ただ大天使自身の身を以て、いとし子を庇い────]