呪って、呪いを喰らうって言いながら戦ってるフィオンさんは、すごく苦しそうで。
……わたしの呪い、誰かに押し付けるものじゃないって思ったんです。
きっとその人を苦しめるし、わたしももっと苦しくなるだけだから。
だからわたし……わたしの呪いや、わたしの生んだ
負けそうになったら、手を伸ばす。
これからは、そうやって生きていきます。
だから、えっと、わたしがこう思うようになったのは、フィオンさんのお陰でもあって……
上手く言えないですけど……
……ありがとう。
[もし、呪いを喰らうと言われなければ。絶望に沈まぬことを願われなければ。
自分から生まれたものを消し去ることに迷いを持つことは、なかったかもしれない。
きっとそんなことは青年の知る由もないのだろうけれど、どうしても礼を言いたくて、頭を下げた。]