[視界の端で、ねずみが落ちていた金貨を咥えてフィオンの服の中へ入っていくのが見えた。セルウィンがそちらに気を取られないようわざと大げさに溜息をついて肩を竦めた。]死ぬのは怖くねぇな。だが、他人の為に死ぬなんてまっぴらゴメンだ――そう思ってるさ。今でも、な。けど、まあ。[冷たい声とは裏腹に、その顔に浮かぶのは、笑み。]お前の嫌がる顔を見られるなら死んでもいいんじゃねーかなって思うわ。結構マジで。[聖なる気を纏った拳をセルウィンに向かって突き上げる。]