っほら、あんたも一緒に行くぞ!
[蹌踉めいて踞る負傷兵。助けに戻って引っ張り上げる。
自力では下りられそうになかったので、ロープを男のベルトに結んで、スピードを抑えながら下ろしてやる。
胸の傷からまた血が溢れるが、手を離すことはしなかった。
ふっと重みが変化して、先に下りた仲間たちが、負傷者を支えて運んでくれたのがわかる。
その後で、ようやく胸壁を乗り越えた。
交錯するように、北側の城壁に敵が頭を出すのが見える。
すぐに乗り込んでくるだろう。
こっちが地面まで滑り下りるのが先か、ロープを切られるのが先か。
分の悪い勝負だな──*]