― 王都・ヘルグリューン邸 ―
[何となく、引率の先生な気分に陥りつつ、コボルド隊と共に地上に帰還した後。
結界の基礎となる陣展開の完了と、引き続き中核形成・発動に入る旨を報告してから向かったのは、今はほとんど近づかない、生家]
……ま、ここならいろんな意味で安定するからな。
[展開した陣の中核をどこに据えるか。
候補は複数あったが、目立つ場所に置くわけには行かない。
人の出入りが激しい所は論外だ。
なれば、閉ざされても誰も困らない場所──と捜した結果が、ここだった。
元々、守護の魔術の研究の場でもあった自宅は、魔力的な磁場も悪くない。
そして、何より自分の自由にできる、というのが最大利点だった]