[友達と呼べる人なんてクララにはいなかった。
都会にいた頃、パメラとは色んな話しをした。クララの好きな童話の話しをパメラは喜んで聞いてくれた。
綺麗なお暇様や勇敢な少年が出て来るお話だけではなく、「七匹の子やぎ」や「赤ずきん」、「三匹のこぶた」など、狼が出て来る話しをした。
クララがその話しを好んで読むように、パメラもそれらの童話に興味を持ったようだった。]
そう、ね。いつも、狼は幸せになれない。
何度絵本を読み返したってそれは変わらないわ。
[「狼が幸せになれる話はないの?」というパメラの質問に悲しい顔をした。>>116]