よく、しらせてくれたな。 た す か っ、た。[目を細めて笑みの形をつくり、ゆっくりと顎を引き頷いた。手紙は懐へと仕舞い込まれる。そうしてもう一度、彼女を見た。既に本隊の出立の時の鐘は打ち鳴らされている>>23未だに彼女がここにあるのは、即ち、見張りとして射手として、この場に残ってくれたということであろう。正直ありがたい。それが偽らざる心情だった。彼女の卓越した目は、恐らくはここの守りの一つの要と成り得る。]