…?迷子か?[最初の感想はこれだった。意志の強そうな瞳、外国風の衣装。この国の者でないことはすぐ知れたから、そう考えたのだ。程なく少年の身分は明かされて、奇妙な短い道行きを共にした。男は、この少年の祖父に用があったのだ。] ───海はお好きですかな?[歩きながら何となく、そんな問いを口にした。こんな少年を艦に乗せているのだ。英才教育ではあろうが、随分大胆なことをすると思った。もっとも皇帝自身が艦にいるのだ、さして驚くにはあたらなかったのかも知れないけれど。]