― パン屋 ―
[昼食のあと、一輪車に小麦粉の袋と新玉ねぎ入りの籠を乗せてすぐパン屋に引き返した。]
オットー、配達に来たぞ。
これさ、どこに運んだらいい?
[オットーに尋ねたあと、ふと思い出したように告げた。]
嗚呼、そういやモーリッツじっちゃが宿屋の温泉入りたいって行ってる。
よかったら、オットーも一緒に来ないか?久しぶりにレジーナさんの焼いてくれるクッキー、一緒に食べよう。
[自分は一応今日の分の仕事は終わらせたが、オットーには店番とかあるかもと思って、控えめに聞いてみる。
レジーナが焼いてくれるクッキーは、子供の頃、遊んだあとによくご馳走になったものだ。オットーは覚えているだろうか?]