― 魔王城最深部 ―
[魔王と対する間は、後ろを振り返る事はしない。
改めて振り返らずとも、思う所は同じ、とわかっているから]
…………。
[こちらの宣に返されたのは、短い言葉。>>69
そのたった一言で、空気が、変わる]
……は。
[魔王の背後に立ち上るもの。
はきと形を見る事はできないが、それが放つ圧は感じ取れる]
さすがは魔王……ってか?
覇気も魔力も桁違い、ってとこらしいけどっ!
[言いつつ、手にした剣を上げて、横に薙ぐ。煌めきが弾け、銀色の光が散った。
剣を鍛えし存在──古き時代の聖霊と伝えられしものの祝福の光が、護るように勇者と仲間たちの周囲を舞う]