[毛玉は、その間女の肩でもそもそと動いていた。
女の子は興味を持ったようであったが、適当に、ペットみたなもんっす、と流しておいた。
親子を見送った女はそういえば、と思った。その優しい看護師さんはどうしているだろうか?
女にしては珍しく、新米の彼のことを認識していた。
女は医務室にたまに顔を出していた。船医に煩く言われているからだ。
実は、女は病気持ちであった。と言っても今は健康そのものであるし、検査でも異常はでないだろうが。]
……また休憩時間にでも行くかねぇ。
[関わり合いを苦手とする女でもつい長居してしまうことも多い。
それは医務室や彼の雰囲気がなせる業であろうか?**]