― 後日談のペンホールズ ―
[猫はぐっすり眠っていた。よい素材のベッド、ほこほこしたお日様、それになんだかいい匂いがする。>>123
つんつんされて、ぴくんと耳が動く。
恐る恐るがだんだんゆっくり撫でてくれるようになった手に、ごろごろ喉が鳴った。ああおねいさんそのなでかたきもちいいにゃーと言わんばかりにお手手にすり寄ったりごろごろとだらしない寝相を披露して。]
『にゃ、にゃ?』
[まだ寝たりないとばかりにとろんとした目が一気に覚醒したのは、辛抱たまらなくなった妹君に抱き上げられたからである。]
『こんにちはにゃー、お初にお目にかかりますにゃ』
『ボク、お馬さんに頼まれてきたにゃー』
[それで通じるかどうかはさておき。
えへんと胸張って、自慢の毛並をすりすり喉ごろごろしながら、もう一眠りしよう、と思うのであった。
一日くらい、森に戻るのが遅くなっても構うまいと。*]