[ 皆にふるまったチコリコーヒーを、自分も幾許かの感傷と共に味わっている所へ、ウェイトレスが、小さな皿を運んでくる>>138 ]
......これは。
[ 誰から、とは、尋ねるまでもなかった。視線は、つい先程姿を見せた銀髪の男の秀麗な容貌へと向けられる ]
...最近、チコリの花には「気高い護り手」という花言葉が出来たんです。
[ 先刻の観光案内の続きのように落とした声はしかし、実際は青い花を寄越した相手に向けたものだ。
返事を求めての言葉ではない。ただ、時の流れが変えていくもの、癒していくものの在る事を...祈るように...かつて美しい花を手折った男は胸のポケットに弾丸を滑り込ませ、青い花を襟に差すと、チョコレートを口にする ]