――昨日・クレステッドの部屋――
[血の味を問われるなら、こう応えるだろう。「日々口にする水を改めて美味いと感じるか?」
自分にとっては他者の血とはその程度のもので、身体を機能させる為に必要だから最低限必要なだけ摂取しただけだった。
自身にとって血とはそんなものだった。筈だ。
……ならばこれは何だ?
>>2:251ふわり、甘く香り立つ血の匂いに誘われて、
ゆっくりと、薄く開いた寝惚け眼。清んだ青である筈のその虹彩は流し込まれた彼の血の色を透かした様な紅に染まっていた。重なる柔らかな感触が心地良くて、再び瞼を伏せる。傷口に舌を這わせて、ぴちゃり、微かな水音を立ててゆっくりと舐め取った…]