[許されるなど、考えたこともなかった。自分の正体を知ってなお、誰かが受け入れてくれるなど――…何より、自分の内なる存在が、自分を受け入れられていないのだ。自分以外の誰が受け入れてくれるというのか。ずっと、そう思っていた。だからこそ、シモンの言葉が不思議で。その意味を、計りかねていた。]