え、ちょ、なに!?
[泡立つ海面から姿を現したのは――見覚えのある海老。
ただし、その色は赤ではなく鈍色で。
海老に続いて姿を見せたもの――巨大な蟹やら海産物らしきものたちも、皆一様に鈍色に染まっている。
どうやら、先ほど戦った海蛇もいるらしい]
これって……。
『『澱み』の塊の分身が、形を得た者かと。
これを退けない限り、あの『虚無』まではたどり着けません。
結局、やるしかないって事よね……。
『ええ。
ですが、何の護りもなく近づくのは危険……というわけで』
[軽い口調で言いつつ、水霊はまた優美に手を振る。
舞い上がるのは先ほどの癒しよりも濃い、蒼の煌き。
それは先ほどと同様、全ての者の上に振り注ぐ]