ねぇ、そんなに怖がらなくても、
大丈夫だと、思う。
[ 回された腕を突っ撥ねず、
宥めるような手付きが背を摩る。
彼の唇が綻んだのは見えていた。
何が正しいのか良いのかは判らない。
だから、人間の真似事をしてみせる。
放っておいては消える存在>>135を
廃棄して代打を望まず迷い子だけを望む
一途さが移ってしまったのかもしれない。
重苦しい言葉は切実なる願いのよう。
縋り付くような擦りきれそうな言葉。
このまま体が透けてしまえば
彼から逃れられるのだろう。
その事を考えなかった訳でもなかった。 ]