[ 毒矢となった翡翠の矢が少女の腕を掠め、その動きを止める。翼までも止めて墜ちていかないのは、その気力がまだ尽きていないことの証拠だろう ]痛いか?翡水。[ 少女の目前まで迫った男は、先と同じように問いかける。血に濡れた鉤爪が、少女の持つ弓を掴んで奪おうとするように引いた。少女が抗えば、二人の間は距離を失い、互いの息がかかるほどに近くなる ]