「なあに、俺自身の能力みたいなもんでな。そいつと誰かを仲違いさせる事が出来るんだよ。
疑い、怖れ、不信、疑心暗鬼の種を植える。
まるでお前が使う氷のように、その二人の関係を冷やし凍てつかせるようにな。
それをお前も使えるってわけだ。で、どうする?」
ど、どうするって言ったって……。
[出会った人の中に嫌いと言えるような人はいないし、使うかどうかも]
「まぁ、気軽にとは言わないがそういう事もできるって思っといて良いぜ。
なあに、ちょっとした意趣返しって奴にでもさ」
……。
[あまり使いたくないな、なんて思いながら、ようやく階段を登り終えた]