[子どもの時からそうです。フランツは一歩も二歩も引いた向こうにいるのです。一緒に遊びにいこう、と誘っても、断られるばかり。誘いにいく足もしだいに遠のいたものです。そりゃあロクな遊びではなかったわ、大人を困らせるたぐいのものだったので。そう、『いいこ』のフランツくんは、わたしたちのような『わるいこ』とは遊ばなかったのです。その証拠に、彼がわたしたちの遊びに参加しようとしたことなんか、一度も無かったのですから。彼から声をかけられたことなんか一度もありませんでした。>>112 *]