― 都市東/池の辺 ―
[蟷螂の飛行は跳躍の延長線だ。
以前は放物線を少し伸ばした程度にしか飛べなかったのだけれど、改造を受けてからというもの、体力が続く限りは地に足着くことなく飛び続けることが可能となった。
オズワルドと別れ気紛れに散策していた少女は、ふわふわと半ば浮かんで歩く獲物>>133を発見し、その機能を発揮させた]
なあーにしてるのかしら?
[ぎゅん、と足先を池の水面すれすれに滑らせて、花緑青は翡翠>>134の前に姿を現した。
水面は波立ち、花は幾らか散って乱れただろうが、無論意図的だ]
随分と楽しそうねぇ。
[実際には考え事をしていたのだろう、と、彼女より住人歴の長い少女は察していた。
しかしわざと揶揄うように表現をずらして、眼差しは彼女が抱えた果実の方へ]