人狼物語−薔薇の下国

252 グラムワーグ・サーガ2


ダークエルフ ヴェルザンディ

― 450年前:大森林 ―
[イーシュトの末裔の棲むダークエルフの集落は、大森林の深くにあった。
それは、竜が眠っている場所とは大きく離れていたが、齢50歳程度―――人間でいうなら8歳程度の外見の妖精の少年が彼女を訪れたのは必然だった。
苔や蔦が覆う鋼色の鱗の巨体を、少年はぽかんと口を開けて見ていた。]

 これじゃない。

[竜の結界に阻まれなかったのは、自身に流れる光の妖精の血の成せる業であろう。
けれども、祖の記憶を降ろされたその精神は闇の妖精そのもの。]

 もっときれいだったのに。これじゃあ捕まえてもつまらないや。

[その声にははっきりと落胆が見えた。
膨大な記憶を受け入れたといっても、未だ本人は子供。
記憶で見た竜がまだ生きていると知れば、大人に内緒で好奇心に身を委ね見に来たのだった。要するに、カブトムシでも捕まえに来た子供と同じである。]

 つまんないし、ころしちゃおうかなぁ
 あっ、しょくばいにはー、うろこもってけばいっかな?

[子供故の恐れ知らずもあったか。記憶と共に与えられた魔鏡へと手を触れたが離し、その巨躯へと手を伸ばした。]

(139) 2014/09/12(Fri) 22:26:42

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