[駆けたナネッテに、残った、左前脚の爪が振り翳される。>>135] ―――…ナネッテ!!![大切な人が、また目の前で奪われるかもしれない、一瞬の激しい恐怖に。カッと、心臓が焼けるように熱くなり。一旦は、堪えようとした、激しく燃え上がるような、哀しみと怒りと憎しみの、赤い衝動の炎が、全身を焼き尽くすように燃え上がった。]