人狼物語−薔薇の下国

144 クルースニク、襲来!


聖光の ユーリエ

[ ノックの前に、ふと自分の服装を見下ろして、
 酷い格好だなと思う。

 左袖に染みた血は、すでに赤黒くなっている。
 バルタザールに駆け寄って血だまりに膝をついた時の、スカートの赤も酷い。
 ……でも、酷いとは思っても、汚いとは思わなかった。
 恥ずかしい汚れはひとつもなかった。 ]

 きゃ。

[ 小さく声をあげたのは、取っ手に止まっていたコウモリが、
 急にふくらみの目立たない胸に飛び込んできたからだ。
 目を白黒させながら、とりあえず撫でてみると、コウモリは目を閉じて丸くなってしまった。

 困惑しながらも置いていく訳にもいかず、抱いたままノックをする。 ]

 ……ユーリエよ。

(138) 2014/02/24(Mon) 21:46:33

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