追うよ。 このまま逃がしてあげるつもりはない。[ずっと一緒に居られると思っていた。マレンマも、シェイも、リヒャルトも。 『嘘までついて』若いおおかみの言葉が、胸を突く。おおかみにさえしなければ、失うことはなかったのだろうか。思案し、その思考を搔き消すようふるりと首を振った] 君も逃す気は、無いよ。[昏い、紅い眸が静かに光る。布団の海に潜る彼の上へ圧し掛かり、両腕を後ろ手に紐で縛ろうとした]