― 少し前:ヴィクトリアと ―
[ ヴィクトリアに名簿の見方を指南した
その後のことだっただろうか。
ル・ウルタール。
半ばそうではないかと予想はしていても
その星の名前を直接告げることは躊躇われて、
曖昧な表現で知り合いの話をしたならば
彼女の口から確信的な一言が飛び出して。>>115 ]
……そうか、君が。
[ 咄嗟に言葉を紡げず、
学者の反応は幾らか遅れてしまっただろう。
奴隷の女性。名前は、…ヴィクトリアだと。
そう昨日の夜に言っていた彼女。>>3:289
…サーラの声が頭の中に過ぎったせいで。 ]
同じ星の人間が居たら、僕の知り合いも心強いかもしれないな。
君と会うチャンスがあれば紹介したいくらいだよ…"彼女"を。
[ 微かな安堵の息とともに漏れたのは
無意識下の本音が薄らと透けた言葉で。
もしもヴィクトリアが
男装であることを看破していたり、知っていたら
ロー・シェンの言葉で誰のことかを理解できたかもしれない。 ]