[頭上から斬撃が来ると知った騎士の決断は早かった。
右に流れた重心を強引に移動させ、攻撃を受け止める姿勢に持っていった。>>137]
可だ、
[吸血鬼の若草色の瞳が、その底に血の色を湛えてギラギラと輝く。
そう、それが人間同士の戦いであれば。吸血鬼に匹敵する筋力があれば。
そこから反撃の糸口も見えただろう。]
だが、最善ではない!!
[最前までの攻撃でさえ、真っ向から打ち合うのは危険な重さだったのだ。
此度は一切の容赦のない一撃、
血色の刃と打ち合った瞬間、金属音と言うにはあまりに異様な音が騎士の剣から上がった。]