あたし、……だって。
[ゾフィヤの両手に黒剣が呼び出される。
それを見た瞬間、動くのも億劫な体を両腕で跳ね上げ、その勢いのまま翅で風を掴んだ]
負けるもんですか!
[叫び、二振りの剣を鎌の柄で受け止める。
反動で僅かに距離が開けば、すぐさま後翅の力で急上昇した。
限界のはずの体を動かしたのが何であったか、少女が明確に理解することはなかったが]
いくよ!
[上段に鎌を振り上げ、翅で風を切った時。
――翅を厭う気持ちより、ただ純粋に勝ちたいという思いが、少女の中で勝っていたのだ。
そして少女は、擦れ違い様に刃を振るう*]