[ふと作業の手を止めて、真剣な表情で考え込む。
数秒後、何やら決意をした様子で手を拭い、部屋の隅に行くと、背を向けて何やらゴソゴソ。
戻ってくると、何やら話しているらしい2人に笑いながら声をかける]
よっ、どうした?
ああ嬢ちゃん、このおにーちゃんは見習っちゃだめだよ?
エーヴァルトも、さぼり方とか教えるの無しだからね?
でも、嬢ちゃんちょっと元気になって良かったなあ。
うんうん、今すぐに思い出せなくても、そうやって楽しくしてればそのうちきっと思い出すさ!
[シェイを後ろからわーっと抱きかかえるようにして、拒絶されなければ頭をぐしゃぐしゃと撫でながら―…
ポケットに、さっとオレンジの包みを突っ込んだ。
彼女を開放すると、エーヴァルトの背後へ移動する。
シェイにだけ見えるように、唇に人差し指を当て内緒のジェスチュア。
目が合えば小さく頷いて、それから仕上げと後片付けを始めた]