― 空・移動中 ―コン…。[風切り音に、通信で聞いた名前が途切れる。とても懐かしい響き。ドクリと鼓動が跳ね上がった。全く嫌な気分ではないのに、とても苦しくて。片手が無意識のうちに服を握っていた]……コン、ラート……[チャリと金属の擦れる音がする。この鎖をつけてくれたのは師匠だ。肌身離さず身につけていられるようにと。元々ついていた紐はボロボロになってしまっていたけど、別の袋に入れて荷物の中に入っている。絆は捨てるものじゃないよと、そう言ったのは兄弟子だったか]