[>>126強い制止の言葉を聞いて居たが為に、伺う眼差しにほんの少しの怯えが滲む。先生は怒ったのだろうか?俺は何処かで間違えた?…俺を、嫌いになる?
少し派手にやり過ぎたのか失われる血の多さに眩暈を覚え、縺れた舌は結局一つとして言葉を紡がせてはくれなかったが、>>129程無くして彼の唇が傷口に触れた事を不正解では無かった証明と受け取り、一人安堵した]
[美味そうに這う舌が己の色に染まる、その得も言われぬ征服感に、ぞくり、背筋が震え、いつしか力が入らなくなった腰が砕けて、床に座り込む]
[謝罪の言葉も礼と同様、不思議な顔をするばかりで意味を理解する事は無い。抱き寄せらる侭その胸に頬を埋めつつ、綺麗に塞がった腕を横目に眺めて]
……――へぇ、便利。
[感嘆めいた声音でまるで場違いな呟きを一つ。のろのろ顔を上げれば、彼の頬を両手で包んで、尚も繰り返し謝罪の言葉を紡ぐその唇を、この唇で塞いでしまおうか。きっと砂糖菓子のように甘たるい味がするんだろう、なんて、想像に弧を描く唇が、血の色に染まった彼の唇へと近付き――……]