── 回想>>0:346 ──
[『大事な友達』と言う言葉に気をよくして
並べた肩をがっしと掴む。]
えー、貸す貸す。
参謀の知恵、大事な友達に貸し出しましょう。
[が、続く言葉に“若干”の動揺を隠せない。]
えー、アイリ・フォールデン!?
何で断るん?ええやん結婚したったら。
会うたことない?めっちゃ可愛いで。
磨けば光る感じするで。
[辺境の極地に位置するゾネス要塞の総領主に思いを馳せる。
管轄する土地の広大さこそあれど土地資源には乏しい>>0:46何故もラバル家がその縁談を推し進めようとするのか疑問は残るところだが、どちらが王と転んでも動きやすいようにとせん元老院のこざかしい知恵故か。
いやいや、話がずれた。ゾネス総督のアイリ・フォールデン。
男はその勝気な女性に好感を抱いていた。
というよりは偶像崇拝に近い感覚である。
要塞は男子禁制、女人の園。その凍える北の大地で500もの女を従えている。
国境付近の報告はマメにさせていたのも事実だが、アイリちゃんの文面が見たい、とりわけと頻繁に報告させていたのも隠し様のない事実でもある。]