― 宇宙船の傍 ―
[白き無慈悲な翼と、天からの眩い光の降る中で、その真っ白な光がゆっくりと地上に降りていったことは人の目にも天使達の目にも止まりにくかっただろう]
[地に降りると同時にぱっと羽根を散らすように白は弾けて、残されたのは、胎児のよう体を丸めてうずくまる赤い髪の男の姿]
ん……
[ゆるりと水色の瞳を開き、すぐ側に未だ漂う真白に手を伸ばす。それは、純白の羽毛のような淡く輝く羽根だ]
「うわあああ!天使だー!!」
[白い羽根に埋もれるようにしている男の姿を見て、容赦ない殲滅を為す天使と見間違った兵士が悲鳴をあげて逃げ出していく]