敵手の個人的事情など分からないのが当然だ。
それは貴殿ではなく、個の事情を戦に持ち込まざるを得なかった私の瑕疵だろう。貴殿に礼を欠いた部分など一つもないと思うぞ?
[ 男の一方的な、言わば自己満足のための謝罪に対して、律儀に礼を返すベリアンの態度に>>133男は苦笑する。
つくづく王国の戦士達は行儀がいい、と、浮かんだ感慨は口にしなかった。 ]
ああ、光栄だ。ベリアン殿。
[ そして、ベリアンの差し出した手を取って握手を交わす。>>134 ]
叶うなら、いずれ、ゼファーに訪れてくれ。作物はいまひとつだが、野趣ある肉とぶどう酒だけは自慢できる。
[ 最後に告げたのは、盃飛び交う宴への誘い、だった。** ]