燻った銀色の毛並み?
それはいつ見たんだ。
ドロシーを襲った相手か?
それともその後に。
[ドロシーを襲った相手というのなら、
襲われたという連絡の直前に、
ディークの遺体の前からNルーム、ホテルで会った
クレステッドには、時間的に無理だろう。
ジークムントの方は、その時間には、私と対峙していて、
私が殺したのだから、なおさらだ。
何より――…クレステッドを信じるなら、
クレステッドが人間と断じたジークムントを含め、
二人とも人間だから。
クレステッドへのガルーへの懸念は残るが、
彼の言葉と心は、信じている。]