―――……早いな。[ぽそりと呟いた。弾は僅かに逸れたものの、声がした瞬間に既に撃っているタイミングだった。呼ぶ声に、返る声。自分の名。……それに勇気づけられて、唇を開く] デートのお誘いをしたのに、連絡がなかったからね。 来ちゃった。[くすり、と笑ってみせた。低めの声は雨音に混ざり、笑みと共に闇に溶けてゆく]