[距離を詰めると、仄かに甘い血の香りが漂う>>108。昨日までの衝動を抑圧し続けていた状態だったならば、お構いなしに彼女にその場で牙を向けていただろう。しかしセルウィンを喰らい時間は経過していない故、この場での破壊要求、衝動は起こらなかった。それに智慧のガルーは、カサンドラのことを生贄の羊と認識している>>3:13。ただし、この時ほんの一瞬だけ。己の菫色の瞳に緋色が宿ったことに彼女は気付いただろうか。]