― 首都ブラバンド:王府軍基地 ―
負けた?
[アレクシスが入室するや否や、王府の兵士達が敬礼する。
恒例行事となっているそれらを手で制するのも、いつもの事。
そして報告を聴いて、少し声を大きくした。]
―――――………そうですか。
[騎士隊長の戦死を聞けば、表情を歪め、ひとつ頷く。
巫女姫は、彼女と親しくしていたはずだ。聴けば悲しむ事だろうか。
もっとも、それはかつてアレクシスもシュビトで共にしてきた者でもあり。
そして、同じ軍であったからして、そう深くない交流をしていたか。
いずれにせよ、もう彼女と、言葉を交わすことは出来ない。
静かに、ブラバンドの空へと、視線を送り。祈りを捧げる。]