― 翼の帰還 ―
[天のいと高きところで、白銀の太陽が弾け散る。>>117
地上から見上げる空は、直視できぬほどの閃光を放って光に弱い魔物どもを灼いたあと、白く乾いた骨灰の色へと変じた。
砕け散った宮の名残が吹き払われれば、いずれは青空も戻るだろう。
顔を覆って閃光の劫掠を免れた魔王は、ひとつの魔力が飛び来たるを感じて視線を背後へ向ける。
転移門より転がり落ちた二つのモノを目にして、眉を上げた。]
遅いぞ、アーデ。
ずいぶんと我を待たせたではないか。
それに、妙なものを拾って来たな。
[遅い、という言葉はツィーアの響きと重なる。>>132
妙なもの、と名指しされたものにはそれ以上視線を留めず、]